“社会情動的スキル”とは、「非認知的

能力」や「EQ」「考える力」のことを指します。養育者が毎日仕事や家事・育児に追われ、精神的な余裕を保てないと、子どもは遠慮、萎縮してしまいます。幼少期に過ごす親との時間の影響は、その子どもの半生に大きく影響しているのです。

精神的に安定した社会情動スキルが基盤にあるからこそ、「認知能力」、つまりIQ・基礎学力が定着することも、OECD（世界経済協力開発機構）によって解明されています。

現代が「“正解”のない時代」と言われるように、生きていくだけでも様々な問題に直面し、その度に「問題に向き合う力」「精神力」が求められています。子どもたちは身近な大人に頼ったり話を聞いてもらったりすることで、自分自身の中で状況を整理し、問題へ対して向き合うことができるようになります。

こうした子どもたちから発せられるサインを見逃さないことも、私たち養育者に求められる役割です。

「人に優しくしてもらった経験」「大切に扱われた経験」を感じた回数が多い子どもは、より積極的に集団生活へ参加し、人に対して優しく振る舞うことができるようになります。

自己肯定感や、自分を信じて道を切り開く力の根底には、「人を信じ、社会に調和する力」が必要です。幼少期に経験する何気ない出来事から、そうした力は培われていくのです。